「免疫力」とは?

 

「免疫力を上げよう」という言葉をよく耳にすると思いますが、「免疫力」とは、一体何なのでしょうか?

 

多くの方は、「敵をやっつける力」であり、それを強くすることで、外敵に負けない身体になる、だから、免疫力は高い方が良い、と考えていると思います。

 

一方で、熱が出た時、「身体が一生懸命戦っているんだよ」と聞いたこともあると思います。なので私たちは、命を脅かすほどの高熱でない限りは、身体を温め、頭寒足熱などで熱が出ている身体をサポートします。

 

また、咳やくしゃみは、異物を外に出す作用であることも皆さんご存知だと思います。

 

つまり、私たちが「症状」だと感じていることの多くは、免疫がとても活発に働いている証でもあるのです。身体で炎症が起きている部位は、免疫と外敵の戦場と例えることもできます。

 

外敵が多かったり、強力である時、免疫は大々的に作動し、炎症が起こります。

 

外敵が少なかったり、強力ではなかったり、また、過去の経験から、侵入物が敵であることを素早く察知すれば、それほど大規模に戦わずとも、免疫システムの中の歩兵的な存在や、身体に備わっている様々な浄化システムによって、素早く、軽く対処することができます。

 

異物がそこまで多くなく、強力でもないにも関わらず免疫が暴動を起こしてしまうこともあります。それが、アレルギーや自己免疫疾患と呼ばれる状態です。今では、うつ病などの精神疾患も含め、あらゆる病に炎症が確認されており、自己免疫疾患の一種と言えるのでは、と考える動きもあります。

 

 

では、なぜ暴動が起きてしまうのでしょうか。

 

その原因は実に様々ですが、広い意味でのストレスは代表的な原因の一つです。

 

ストレス、というと、精神的なイライラや不安を思い浮かべるかもしれませんが、毒素への曝露や過度の運動といった、身体的なことも含まれます。

 

私たちはみんな、ある程度のストレスを経験し、抱えながら生きていますが、ある時突然、大きな量のストレスがかかると、免疫が暴走し始めるリスクが高まります。

 

例えば、花粉症は、都会では桁違いの、自然ではない量の花粉を吸うため、発症してしまいます。一旦免疫がリアクションをとってしまうと、その後、花粉に対しての警戒がとても高まり、少しの量でも反応してしまうようになります。

 

他にも、大量の塩素を一度に浴びることによるアトピーの発症や、大量のカビを吸うことによる化学物質過敏症の発症でも同様です。

 

精神的に、とてもショッキングなことがあると、その出来事が引き金となって、PTSDのみならず、リウマチ症などの自己免疫疾患を発症する方も多くいらっしゃいます。

 

 

では、風邪を頻繁に引いてしまうのは、どういうことなのでしょうか。

 

ストレスや様々な生活習慣によって、免疫の初段階での働きが低下すると、異物をたくさん身体に入れてしまったり、異物が入ったのち、身体の中で増殖することを許してしまいます。そうすると、知らない間に許容量を超える量の異物が体内にあるため、免疫システムがたたき起こされて炎症が起きます。

 

免疫の低下と上昇のリズムが極端な状態です。

 

日常における風邪や痛みは、とても有り難い免疫の働きですが、生活や命に影響を及ぼすほどの炎症を起こさないためには、

  1. 異物への曝露を減らす
  2. ストレスを適度にする+睡眠、瞑想や呼吸法を大事にする
  3. 基礎的な免疫の働きを高め、身体の中の異物量が多すぎないようにする
  4. 免疫調整機能のある植物や瞑想、呼吸法などを取り入れる

ことが必要です。

 

なので、「免疫力」とは、ただ免疫がとても活発に働いているということではなく、適切に賢く働ける免疫の力、と捉えることができます。

 

①と②を心がけることで、③の、免疫の基礎的な働きをサポートすることができます。大気汚染や水質などは、自分の力ですぐに解決することはできませんが、身近なことで取り組めることはたくさんあります。例えば、日々の食事や化粧品、衣類から、化学物質を除くこと。身体の表面や粘膜、体内にすでに異物がたくさんあると、表皮や血液、腸、神経の働きが鈍ったり、異常な反応が起きたりします。それらは全て、免疫に関わる部位なので、免疫の働きにも支障をきたします。

 

食事に関しては特に、加工されていないものを摂ること。農薬や化学肥料が使われていない、自然の野菜や果物を食べることで、新たな化学物質が入ってこないだけでなく、身体の中に溜まっている毒素を排出することができます。そうすることで、自分の身体が綺麗になるだけでなく、環境をきれいにすることもサポートできます。土や空気、水がきれいになることで、私たちの心身もきれいになる、という好循環が生まれます。

 

ストレスを適度に保つことも、自分自身で取り組めることです。

 

ストレスに関しては、あまり固定観念に捉われず、自分に合った方法を、できれば複数見つけると、様々な状況に対応できるようになります。

 

ストレスシステムについては、また別の機会に詳しくお話ししたいと思います。

 

 

ターメリック

 

④植物によっても、免疫を高すぎず低すぎず、適切な状態に保つサポートをすることができます。そのような効果を、免疫調整機能(immunomodulatory effect)と言います。この機能を持つ植物はとても多く存在しますが、特にその能力の高い植物の一つは、ターメリックです。

 

ターメリックに含まれているクルクミンという成分が、免疫システムが落ちすぎている時は高め、免疫が上がりすぎている時は鎮めてくれます。

 

クルクミンは、ブラックペッパーや良質の脂質と共に摂取すると、吸収率が上がります。

 

ターメリックは、アーユルヴェーダドクターにも*、また、統合医療や自己治癒力といった概念のパイオニアであるDr. アンドリュー・ワイルやそのチームの自然療法家によっても、感染症の対策としてすすめられています**。

 

Sky Highでも、ターメリックはZEST、LIFERのジュースで使用されている他、ターメリックパウダーをスムージーに追加することもできます。

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organic purple and yellow turmeric

今の時期に、お家での料理に意識的にターメリックを取り入れてみたり、Sky Highでターメリック入りのジュースやスムージーにトライしてみてください;)

 

習慣を変えることは、最初は大変だったり、人間関係で悩んだり、ストイックになりすぎたりしてしまうかもしれませんが、試行錯誤しながら続けることで、だんだんバランスが取れるようになります。最初からバランスの取れた状態を見つけることは至難の技です。自分の方法と自分のペースで取り組んでくださいね。

 

 

いつもありがとうございます。

健やかな日々を過ごせますように!

 

spice

 

* Panda, A. K. et al. (2020). Ayurveda practitioners consensus to develop strategies for prevention and treatment of Corona virus disease (COVID-19). Journal of Ayurveda and integrated medical sciences, 5(1), 98-106.

** Alschuler, L. et al. (2020). Integrative considerations during the COVID-19 pandemic. Explore, In press, Corrected proof, 1-3.